すごい服ではなく、欲しい服をつくる
👕キヤスクは、障害や病気のある方々が、着たい服を諦めないで済むように、その方が「着たい」と思う既製服をOne to Oneでお直しするサービスを提供しています。
同時に、その知見をもとにした、大手企業のインクルーシブな服づくりを支援する取り組みも行っています。
お直しと既製服づくりは相反するものではなく、両方が必要だと考えており、既製服市場に「着やすくて着たい服」が増えることは、社会にとって良いことだからです。
これからインクルーシブな既製服づくりに挑戦する大手企業が増えていくことを願っていますし、私たちも全力で協力したいと思っています。
真逆の手法
💡私たちの支援手法のユニークな点は、一般的なインクルーシブデザイン手法である「当事者の声を聞いて機能を定め、そこからデザインを起こす」手法ではなく、
「すでに市場で支持をされている(その企業の)人気商品に、キヤスクが蓄積してきた当事者の声をもとにした機能性を後付けする」という逆の手法を採用している点にあります。
👉 このアプローチには、企業にとって大きな利点があります。
キヤスクが多くの当事者の声を集約し、最大公約数として必要性の高い機能を提案するため、企業はゼロから一つひとつ検証する負担を背負う必要がありません。
自社の既存のデザインやこれまで培ってきた強みを活かしながら取り組めるため、効率的で現実的な方法だと考えています(逆に言うと、自社の既存のブランド力や商品力が思いっきり問われることになります)。
もちろん、一般的な手法にも大きな意義があると思います。実際にその方法で成果を上げている事例もありますし、私自身もその価値を否定するつもりは全くありません。
ただし、特にファッションという分野においては、機能性を出発点にゼロからデザインを立ち上げ、それを大きな市場でヒットさせるのは非常に難易度が高いです。
一般のファッション市場でさえヒット商品を生み出すのは容易でなく、そこにさらに機能性の制約を加えると、なおさら難しくなります。
障害があってもなくても、人が服を買う時の一番の動機は○○○
🤔だからこそ私たちは、まずは「すでに多くの人から支持されている服」に着目し、そこに必要な機能を後付けすることで、「“多くの当事者からも支持される確率” = “売れる確率”」を高めていこうと考えています。
このキヤスク独自の手法は、2つの前提に基づいています。
1つは、「人が“この服を着たい・欲しい”と思う入口は、障害の有無に関わらず、必ず“その服の見た目の魅力”から始まる」という人間理解です。
もう1つは、「どんなに社会的意義の高い服でも売れなければ事業は続かず、後に続く企業も現れず、結果的に社会が変わらない」という事業継続の観点です。
⚠️ここで強調したいのは、“大手企業のインクルーシブ商品が売れなかった”という事実は、その服を作った会社だけではなく、後に続く企業の芽も摘んでしまうということです。
挑戦すること自体、賞賛されるべきだと思います。一方で、挑戦して成果が出なければ、「やはり障害のある方々を対象にした服づくりは難しい」という認識が業界にさらに深く定着し、挑戦そのものが減ってしまうことも事実でしょう。
結果として、障害のある方々の選択肢は増えるどころか閉ざされたままになってしまいます。
だからこそ「売れること」は単なる商業的な成功ではなく、社会にとって不可欠な条件なのです。
もちろん、「売れるかどうか」は、やってみないと分かりません。でも「売れること」を最重視した設計を最初からしない限り、結果は出ません。
「インクルーシブデザイン」は、人が服を買う理由にはならない
👖私は、「インクルーシブデザインで作りました」というストーリーだけでは、購買の理由にはならないと考えています。
「すごい」という評価にはつながっても、「欲しい」と思う気持ちは生まれません。
障害があってもなくても、すべての人にとって服を選ぶ最初の基準は「見た目が好きかどうか」。
インクルーシブデザインは、社会的評価を得るための旗印ではなく、障害のある方々にとって「魅力的な選択肢」を増やすための、実践的な手段であるべきです。
📣さらに、「すでに売れている人気商品を基盤にすること」には、マーケティング上の利点もあります。
インクルーシブ商品を「特別なカテゴリー」として隔離するのではなく、既存のヒット商品と並んで訴求できるからです。
それにより、多くの人の目に自然に触れる機会も増えます。
商品力だけでなく訴求のしやすさもまた、「欲しいと思ってもらえる」「売れる」ためには重要な要素だと考えています。
売れる確率を最大化する
✨だからこそ私は、支援先の企業に「社会から“すごい”と言われる服」ではなく、「消費者から“欲しい”と思ってもらえる服」を作ってほしいと考えています。
そして、たくさんの当事者が「欲しい」「買いたい」と思える服づくりを、全力で支援したいと考えています。
このキヤスク独自の手法(私たちはこれを“キヤスクルーシブデザイン”と呼んでいます)を通じて、現在関わっているZOZOや新しいプロジェクトを成功に導けるよう、尽力していきます。
そして、今後も多くの大手企業が、“売れる確率を最大化するインクルーシブな服づくり”に挑戦できるよう、支援していきます。
ご相談をお待ちしています
📩キヤスクルーシブデザインによる服づくりに関心をお持ちの企業様からのご相談を、随時承っております。
ぜひこちらから、お気軽にお問い合わせください。

